難病発症から通院・服薬をやめるまでの20年

潰瘍性大腸炎などの病気の体験記

23.病から逃げてた

 潰瘍性大腸炎を発症したとき、原因不明だし、自分では何もしようがないと思っていたので、病院の指示に従い、病を受け入れているつもりでいました。しかし、自分の病気の話というのは、人に話すことではないという考えがあり、行政から潰瘍性大腸炎の勉強会や交流会の案内が届いても、病気の方たちの輪の中に入るのは嫌だ、絶対に参加しないと思っていました。

 

 ところが、約二十年の紆余曲折を経て、ようやく体が落ち着いてきたときに、同じ行政からの案内を受け取り、なぜだか自分でも不思議なくらい自然に、行ってみたいと思ったのです。そのときに、医師の「一生治らない」という言葉を受け入れることが病を受け入れることなのだとずっと勘違いしていたことに気づきました。治らないと言われたから、私には何もできないと思い込んでしまったのです。自分が難病だということを認めたくない、仲間に入りたくないという気持ちもあったのでしょう。今から振り返ると、病を受け入れていなかったということがわかります。初めて交流会に参加したいと思ったのは、かたくなだった心が病の改善とともに柔軟になったからでしょう。

 

 交流会には、病歴が一年未満から十年くらいの人が多かったので、私の約二十年の病歴と現在薬の服用も通院もしていないという話は、皆興味津々という感じで聞いてくれました。皆、かつての私のように悩んでいて、私のアドバイスが人の役に立つのだと実感し、嬉しく思いました。交流会のようなものを主催してほしいという意見ももらい、今の私の原動力にもなりました。

 

 現在は、私が発症した時代とは違い、インターネットを利用する人が増え、簡単に情報を得られるようになりました。潰瘍性大腸炎という病気が西洋医学では「一生治らない」ということは今も変わらないと思いますが、決してその言葉にしばられずに、情報をうまく活用して早く治癒の道を進んでいってほしいと思います。

 

今日も素敵な一日でありますように。

※難病発症から通院と服用をやめるまでの二十年の体験記はブログの一から二十一に書いています。