私が病気から脱することができたのは、第一部で書いた病院で「潰瘍性大腸炎ではなく、ただの腸炎ですよ」と言われたおかげだったと思います。もちろん、自分で養生を積み重ねてきたからこそすでに治っていたのですが、まだ駄目なんじゃないかと自信を持つことができなかったのです。そのとき、私は長年、潰瘍性大腸炎という病名の枠の中で生きていたということに気づきました。その枠が外れた瞬間喜びに満ちました。
私がイメージする枠というのは、鉄の柵が頭をおおっている感じです。柵なので、完全におおわれていて真っ暗とは違います。私は、病気であっても健康な人のように、仕事、勉強、習い事、趣味をやってきました。健康な人以上に活動的だったと思います。しかし、自分では気づいていないだけで、いつも柵の中にいて、柵から手を出したり、出入りしていただけだったと思います。
何の病気かわからず原因不明と言われることもつらいことですが、病名がついたらついたで、自分はその病気なんだという思い込みがとれなくなるのです。それは、重い病気や長く患う病気の場合一層強くなります。病名がない時代であれば、ちょっとお腹の調子が悪いだけ、ちょっと出血しているだけ、そのうち治る、と考えることもできるのです。
自分で作ってしまった枠や潜在意識に入り込んでしまったネガティブな思考を取って自由になると病気でなくなります。食事や運動など生活改善をしていても、その思い込みが外れないとまた調子がわるくなるという繰り返しになります。私の場合は、頭をおおっていた枠が外れて目の前が急に明るくなったという感覚でしたが、こういった潜在意識に入り込んだ思い込みを取り外すことで最終的に病気は治っていきます。
今日も素敵な一日でありますように。
※難病発症から通院と服用をやめるまでの二十年の体験記はブログの一から二十一に書いています。