難病発症から通院・服薬をやめるまでの20年

潰瘍性大腸炎などの病気の体験記

38.治療家の選び方

 私は、総合病院の医師、個人開業医、統合医療の医師、鍼灸師など長年さまざまな治療家と接してきました。約十五年個人開業医である潰瘍性大腸炎の専門医に診てもらい、いつも同じ薬を処方されていましたが、入院した総合病院で別の種類の飲み薬に変わり、新しい治療法の情報も入ってきやすくなりました。そのときに思ったのは、新しい情報が入ってくる病院の方がいいなあということでした。長年同じ医師に診てもらうという安心感はありましたが、治療法が昔とあまりにも変化しないというのは欠点にもなります。新しい情報が入ってくる病院だけがいいというわけではありませんが、治療法の選択が広い範囲でできることはいいことだと思います。もしも、今通院している病院がいつも同じ治療でマンネリ化し、しかも体調が良くならない場合は、病院を変えることを考えた方がいいでしょう。

 それと、いつも思うのは、治療家に対して信頼感があるときはいいのですが、治療家と考えがずれてくると不具合が生じてくるということです。治療家に対して不信感を持ち始めると、治療に対して積極的ではなくなるし、治療効果がなくなっていきます。それは、西洋医学であろうと東洋医学であろうと同じことです。

 まずは、自分の身体には自然治癒力が備わっているので、治療家に頼らずともいつでも身体は修復を行っているという考えに立つことが大切です。そして、どういう治療をやっていきたいのかを考え、治療家には自分の希望を伝え、その希望を受け止めてくれる治療家と治していくことが治療の早道です。つまり双方心地よいコミュニケーションができる関係であるということです。

 総合病院の医師は忙しく、ゆっくり会話する時間はありません。そして、検査結果の数値をもとに処方するので、患者がどのような食事を摂っているのか、どのような生活をしているのか、ストレスはあるのか等しっかりと聞いてくれる医師はめったにいません。

 部分ではなく全体を診てくれる、病気ではなく人を診てくれる治療家を見つけましょう。

 

私が思ういい治療家を具体的に書いておきます。

①病気になった原因を探してくれる。

②症状のある部分だけでなく、体全体、生活習慣、心の問題も診てくれる。

③患者の話をじっくり聞いて、お互い心地よいコミュニケーションをとれる。

④新しい情報や広い知識を持っている。

⑤患者を傷つけるような言葉を使わない。

⑥症状をとるだけでなく患者が健康になるために一緒に考えてくれる。

 

 そして、病気を癒してくれるのは専門家だけではありません。身近な人がそういった役割をすることがあります。どこの病院へ行っても治らないといわれる病気でさえ、家族や友達から「きっと大丈夫。治るよ。」と言われれば安心し、回復することだってあります。自分の味方になってくれる、話をすると楽になる、そんな人が身近にいるといいですね。

 

今日も素敵な一日でありますように。

 

※難病発症から通院と服用をやめるまでの二十年の体験記はブログの一から二十一に書いています。